・そろそろ屋根の塗料を塗り替えたい
・屋根に使う塗料の種類について知りたい
あなたはこのようなことで悩んでいますか?
屋根はなかなか目に留まる場所ではありませんが、家の中でも一番日光や風雨にさらされる場所だけに、気づかないうちにひどく傷んでいることがあります。ですが、屋根塗装はそう短い期間でするものでもありませんので、常に最新の情報に触れることも少ないでしょう。
今回の記事は、屋根塗料の種類や特徴、選び方、費用の目安と、屋根塗装のステップについて愛媛県の塗装業者である弊社がご説明します。塗料選びと屋根塗装で失敗しないよう、最後までお付き合いください。
基本的な屋根用塗料の種類と特徴を比較
まず、基本的な屋根用塗料の種類と特徴を見てください。
塗料の種類 | 耐用年数 |
単価相場 |
特徴 |
---|---|---|---|
アクリル塗料 | 5~8年 | 15~20万円 |
・安価 |
ウレタン塗料 | 6~8年 | 23~28万円 |
・比較的安価 |
シリコン塗料 | 10~15年 | 35~48万円 |
・中間的コスト感 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 48~75万円 |
・コストは高め |
改めて、4種を細かく比較してみましょう。
・アクリル塗料:鋼板屋根、トタン屋根の塗替えに
・ウレタン塗料:中間的な塗料
・シリコン塗料:化粧スレート屋根の塗替え
・フッ素塗料:日射量が多い地域(太陽がよく当たる)におすすめ
では、それぞれの塗料はどう使うのか、どんな屋根材に合うのかといったことについてご説明を続けます。
アクリル塗料:鋼板屋根、トタン屋根の塗替えに
アクリル塗料は耐用年数は低いものの、安さがとても魅力的です。そのため、「定期的に塗り替えたい」「色変えを楽しみたい」といった方に合います。
アクリル塗料が適する屋根材は、鋼板やトタンなどの金属系のものです。一般的なアクリル塗料にあまり耐久性や機能性を求めることはできませんが、もし「より安心できるものを使いたい」という場合は、日本ペイントの「サーモアイ」がおすすめです。
塗料を厚塗りでき、長期間錆を防ぐ効果・遮熱効果を狙えます。
ウレタン塗料:中間的な塗料
ウレタン塗料は、一般的な塗料の中でコスト面も耐久性も中間に位置しています。耐用年数はアクリル塗料とほぼ変わりませんが、アクリル塗料と比べて密着性が高いので、「少しでも長持ちさせたい」というときに選んでみてください。
ウレタン塗料が適する屋根材は、窯業系/スレート/トタン/ステンレスなど幅広いのもメリットです。
シリコン塗料:化粧スレート屋根の塗替え
シリコン塗料は、コストと耐久性のバランスがよいことで多く使われるものです。色褪せしづらく、汚れにも強い面で多くの家で取り入れられています。
シリコン塗料は、化粧スレート屋根の塗り替えに特に適しています。
フッ素塗料:日射量が多い地域(太陽がよく当たる)におすすめ
フッ素塗料は、他の塗料に比べ価格は高めですが、日光(紫外線)にさらされても塗膜が破損しづらい特徴があります。そのため、年間を通して日射量が多いエリアで使われることが多い塗料です。
ご自宅のあるエリアが「晴れの日が多い土地」なら、フッ素塗料がおすすめです。
機能性の屋根塗料の種類と特徴を比較
次に、特別な機能を持った屋根塗料についてご説明します。まず、簡単にふたつの機能性塗料を比較してみてください。
塗料の種類 | 特徴 | 性能と仕組み |
---|---|---|
遮熱塗料 | 熱を遮る(はじく) | 熱の反射により、屋根の表面温度を下げる |
断熱塗料 | 熱・冷たさを遮る | 室内の温度を保つ・屋外の熱が屋内に入りづらくする |
遮熱塗料と断熱塗料は、基本となる一般的な塗料に特殊素材を混ぜ合わせ販売されています。
・遮熱塗料
・断熱塗料
このふたつの違いをより深く知れば、選ぶときに迷いが減るでしょう。
遮熱塗料
遮熱塗料は、太陽光の熱を塗膜が反射することで、表面温度を下げるようにしてあります。主な効果は「暑さ対策」ですので、高温に悩まされやすい地域や、金属性屋根材の家におすすめです。
ただ、塗膜表面が汚れてしまうと、遮熱効果が低くなってしまうところに注意が必要です。
断熱塗料
断熱塗料は、屋外の暑さ・寒さを屋内に伝えづらくする塗料です。効果は「暑さ対策」「寒さ対策」です。
暑さも寒さも厳しい土地にある家に住む方、ヒートショックから家族を守りたいといった希望を持つ方に支持されています。
屋根用塗料の選び方5つのポイント
上では屋根塗装に使う塗料の種類についてご説明してきましたが、ここでは実際に「どう塗料を選ぶといいのか」の5つのポイントを取り上げます。
・コスト
・耐用年数
・機能性
・屋根材に合っているか
・その他注意事項
このような点を総合的に検討することで、どんな塗料が適しているのかがわかります。
コスト
屋根用塗料を選ぶときにまず決めたいのが、コストについてです。どれくらいまでなら予算を確保できるのかが明確でないと、工事費を含む塗料代金は決められません。
まず、最大でいくら位用意できるのか試算してみてください。
耐用年数
次に考えたいのは、塗料の耐用年数です。屋根塗装は、どのような塗料を使っても決して安いものではありませんので、「できれば長い間もつものがいい」と思われるでしょう。
似たような金額ならば、できるだけ長い耐用年数の塗料を選びましょう。次の屋根塗装までのサイクルを長くできます。
機能性
屋根塗装に使う塗料に機能性を求めるかどうかも、塗料選びの大事なポイントです。上で触れた「遮熱塗料」「断熱塗料」を選びたいかどうかも検討してみてください。
一般的な塗料であっても、「比較的汚れが付きにくい」という特徴を持つシリコン塗料やフッ素塗料に魅力を感じるかもしれませんね。ただ単に「塗る」のではなく、塗装した後にどうなるのが理想なのかも含めて考えてみてください。
屋根材に合っているか
屋根塗装に使う塗料を選ぶときは、現在の屋根材に合うものかどうかも考えてください。屋根材には粘土瓦、セメント瓦、スレート、トタン、ガルバリウムなどいくつもの種類があり、塗料の向き不向きがあります。
好みの色で、希望の機能を持つ塗料であっても、屋根材によっては使えないことがあります。
その他注意事項
屋根用塗料選びで、意外に忘れがちなのが「ニオイ」や「ツヤ」といったことです。
塗料のニオイは塗装工事中はもちろんのこと、工事が終わった後にも一定期間気になるものです。あなたやあなたのご家族だけでなく、ご近所にも影響することですので、気を遣わなければなりません。
塗料のツヤも、屋根の塗料選びに必要な視点です。
ツヤのある屋根用塗料は親水性に富み、ついたホコリを洗い流しやすいという特徴があります。屋根をきれいな状態に保ちやすいツヤありの塗料を選ぶと、屋根のクリーニングの回数が減り便利です。
一方、ツヤの度が過ぎてギラギラするようであれば、太陽光の反射がお隣の家に迷惑をかけてしまうことも考えられますので、周辺環境によっては十分に検討しなければなりません。
良い屋根用塗料とは?
良い屋根用塗料を選ぶときは、「住みやすい家づくり」を考えるのもひとつの方法です。
どの塗料を選ぶにしても、ある程度大きなお金が必要です。それならば、無理のない範囲で費用を上積みして、機能性塗料を採用し、暮らしやすさを追求するのもいいのではないでしょうか。
「準備すべき費用が今少し足りない」というときは、国や自治体の補助金制度がないか調べてみてください。「家の性能を向上させるリフォームを補助する制度」を国や自治体が用意していて、その条件に当てはまれば、屋根塗装の工事費用の一部をカバーできる可能性があります。
屋根用塗料選びで迷ったら?3つの塗料がおすすめ
屋根用塗料の選び方で迷ったら、愛媛県の塗装専門業者である弊社のおすすめ塗料3つをご紹介しますので検討してみてください。
・耐久性の高さ「ファイン4Fベスト」
・ラジカル制御型「ニッペファインパーフェクトベスト」
・ニオイの問題解消・遮熱「ニッペ パーフェクトクーラーベスト」
この3つの塗料は、「塩害に悩まされがち」「夏は暑い」という愛媛県の家に特におすすめですが、愛媛県以外でも似たような悩みを持つ方に参考にしていただきたいものです。
耐久性の高さ「ファイン4Fベスト」
ファイン4Fベストは、4フッ化フッ素+セラミックの組み合わせで、高い耐久性を実現しています。また、ファイン4Fベストは弱くなった屋根材に浸透し、強化する下地「ニッペファイン浸透シーラー」を使うよう設計されていますので、弱った屋根の補強も目指すことが可能です。
ホルムアルデヒドといった環境汚染物質を含んでいませんので、健康被害の心配もありません。ちなみに、1㎡あたりの単価は4,340円です。
ラジカル制御型「ニッペ ファインパーフェクトベスト」
ラジカル制御型の「ニッペ ファインパーフェクトベスト」は、チョーキングを起こしにくい屋根用塗料です。これは、強い塗膜形成が可能な配合により実現するもので、あわせて藻やカビの発生を低減させます。
できるだけ強い塗膜を、汚れにくい塗装を、と希望される方向けで、1㎡あたりの単価は3,360円です。
ニオイの問題解消・遮熱「ニッペ パーフェクトクーラーベスト」
塗料のニオイがダメ、遮熱機能も欲しいという場合は、「ニッペ パーフェクトクーラーベスト」をおすすめします。この塗料は水性ですので、イヤなニオイがしません。
同時に、含まれる特殊な顔料が遮熱効果をもたらしてくれます。ツヤはほどほどなので、ご近所の家に迷惑をかけるほどの日光の反射もほぼありません。
ニッペ パーフェクトクーラーベスト1㎡あたりの単価は、3,710円です。
屋根塗装の手順を解説
屋根塗装に使う塗料の種類や選び方をお伝えしたところで、次は屋根塗装の依頼から工事がどう進んでいくのかを見ていきましょう。
1.見積依頼・調査
2.見積書をもらう
3.納得できたら契約
4.足場の組み立て+シート張り
5.高圧洗浄+養生
6.瓦やスレートの状況に応じた対応
7.下塗り+上塗り
8.足場+シート撤去
事前に手順を理解しておけば、いよいよ工事、というときも慌てずにすみます。
1.見積依頼・調査
まずは、屋根の状態を見てもらい、見積もりを出してもらうよう依頼します。
このとき、詳しく調査をしてもらうのですが、業者が屋根に上る必要があるといったときはあなたも一緒に行動してください。あなたも屋根に上る必要はありませんが、丁寧に調査してくれているか、業者の動きをきちんと見ていてください。
調査の時に踏み割った屋根を、「壊れてますね」と修理箇所に含めてしまう悪徳業者もいることは、どうぞ覚えておいてください。
2.見積書をもらう
見積依頼・調査の段階を踏んだら、見積書を出してもらい、内訳を丁寧に確認してください。
・塗装一式〇〇万円
・足場一式〇〇万円
上のように、単に「一式」としか書いていない内訳書を出す業者は悪徳業者の可能性があります。
・下塗り材:8,000円=800円(1㎡)×100㎡
・中塗り・上塗り18,000円=1,800円(1㎡)×100㎡
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のように、項目ごとに単価と小計、総合計額とを明確に記しているようなら、良心的で丁寧な業者ですので安心です。あなた(依頼者)も見積書の内容を理解できれば、その費用が妥当なのか見当がつきますね。
もちろん、見積書は複数の業者から取り、相見積もりにすることで、価格とそれぞれの会社の姿勢を比較できます。
3.納得できたら契約
見積書の内容を丁寧に確認したら、契約を結びます。少しでも疑問を感じたら、説明を求めてください。
たとえ「少し高いかな」と感じても、その理由が納得できるものであれば安心して工事を任せられるでしょう。このとき、支払方法(施工後まとめて払う/数回に分けて払う)も取り決めておきます。
4.足場の組み立て+シート張り
契約がすんだらいよいよ工事に入りますが、最初に行うことは足場を組むこととシートを張ることです。
必要であれば、「庭に置いてあるものをどこかに移動させてください」といった指示があるでしょう。足場を組む日までに、周囲を整理しておきます。
5.高圧洗浄+養生
屋根の塗装に入る前に、高圧洗浄と養生をします。
高圧洗浄は、屋根に付いたホコリ・塗膜の剥がれを取り除くのに重要な作業で、これを行わなければ塗料をしっかりと塗れません。また、塗料が外壁やサッシといった他の場所に付着しないよう、養生シートで覆います。
6.瓦やスレートの状況に応じた対応
屋根材には瓦やスレートが使われていますが、傷んだ箇所や傷み具合に応じて下地処理をします。

写真は「錆止め」処理された様子
傷みをそのままにして塗装に入ると、塗料がしっかり塗れないばかりか、近いうちに雨漏りの原因となってしまいます。そのような問題を避けるため、下地処理はとても重要です。
具体的には、ひび割れ箇所の補修や、隙間の生じた部分にシーリング材を充填する、釘を打ちなおすといった作業です。
7.下塗り+上塗り
下地処理がすんだら、いよいよ本格的に塗装作業に進みます。
下塗り(シーラー)+上塗りの2段階で塗装をするのが一般的ですが、屋根材が下塗り材を多く吸い込むようなら、何度かシーラーを塗り、上塗り材(依頼主が指定した塗料)がしっかりと密着する状態を作ります。丁寧な下塗りは、上塗り塗料の仕上がりに影響します。
8.足場+シート撤去
塗装作業が終わったら、足場とシート、養生シートを撤去します。
作業の最後の段階とはいえ、ここまでを丁寧に行ってくれる業者は「安心できるところ」といえるでしょう。すべての工程において細心の配慮をしてくれる業者なら、屋根の塗装は成功、といっても問題ありません。
ご近所に屋根塗装をすることを伝えておくと、クレームが起きづらい
屋根の塗装をするにあたり、事前に近隣のご家庭に予定を伝えておくと不本意なクレームが起きることを回避できます。業者の車が頻繁に出入りする、足場を組む、高圧洗浄機を使用する、となれば、音やほこりが立つといった問題も起きます。
日程(工事計画)や、何時から何時までの作業なのか、何か問題が起きたときの連絡先(業者の電話番号)といった情報を挨拶状に加えて、ご近所の世帯に連絡をしておいてください。「ご迷惑をおかけします」と手土産を持っていくのもいいでしょう。
塗装業者によっては、挨拶回りも代行してくれることがありますが、できれば同行すれば問題を最小限に抑えられます。
屋根塗装のコストを抑えるなら「外壁塗装」と同時に
屋根塗装工事をするなら、外壁塗装も一緒に考えてみてはいかがでしょうか。せっかく足場を組みますので、屋根と外壁の塗装をまとめてしまえば、別々の施工よりトータルコストを安く抑えられます。
予算の都合がつきそうなら、同時施工を検討してみてください。
屋根塗装業者の選び方
屋根の塗装業者を選ぶときは、「地元密着型」で、国家資格「塗装技能士」のいる業者を選択すると安心です。まず、地元密着型の塗装業者は、ムリな営業や手抜き作業をしません。
地場に根差した業者は、施工ミスが多い、施工費用を水増しするといった「悪さ」をしていては事業が成り立ちません。また、塗装技能士がいる業者なら、その技術は折り紙付きですので、安心して工事を任せられるでしょう。
屋根の塗り替え目安年数
ここまで、屋根塗装の塗料の選び方、工事の進み方をご説明してきましたが、屋根材によって塗り替えの目安となる年数があることもお伝えします。屋根材ごとの塗り替え目安は、次の通りです。
屋根材(種類) | 塗装の目安(年数) |
---|---|
トタン | 7~10年 |
セメント瓦 | 10~20年 |
スレート | 8~15年 |
ガルバリウム | 10~25年 |
粘土瓦 | 30年程度 |
これは、新築からはじめて塗り直しをするまでの目安です。次回(2度目)以降の塗り替えは、選ぶ塗料の耐用年数により決まりますので、必ずしも上の通りではありません。
屋根の形状のひとつ「陸屋根(マンションの屋上のような、平らな形状の屋根)」の場合、単に塗装するだけでなく防水塗装も必要で、8~15年を目安にします。
まとめ
この記事では、屋根の塗装に使用する塗料の種類や選び方、おすすめの塗料、工事の進み方、塗装のサイクル(年数)について解説しました。屋根は日ごろからまじまじと見ることの少ない場所であるだけに、「気づいたときにはひどく傷んでいた」ということも少なくありません。
そんな大きな問題が起きる前に、屋根の塗装や塗料、屋根材の知識を得ておくと、家を維持するのにまつわる失敗を予防できます。特に次の3つは重要なポイントですので、覚えておいてください。
・一般的な塗料、機能性のある塗料についての知識を得て比較する
・塗料選びで迷ったらコスト・耐用年数・機能性・屋根材との兼ね合いで比較検討する
・屋根塗装業者を選ぶときは、塗装技能士を抱える地域密着型の業者にあたってみる
屋根用塗料は、年々進化しています。頻繁に行うことのない屋根塗装ですので、最新の塗料の情報や施工方法はすぐにはわからないでしょう。
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