・外壁塗装の見積書をもらったものの、読み方がわからない
・見積書の内容がこれで正しいのか、確信がもてない
今、このようなことで困ってはいませんか?
見積書を手にしているということは、数週間のうちに契約をしなければならないというタイミングでしょう。実は、見積書は外壁塗装工事の良し悪しや、業者の見極めの判断にも重要な役割を果たします。
外壁塗装には、数十万円以上の大きな費用がかかりますので失敗したくありませんね。
この記事は、愛媛県で塗装業者を営む弊社から、「見積書の読み方」「見積書からわかること」を解説しています。外壁塗装で失敗しないよう、最後までお付き合いください。
外壁塗装の見積書を適切に判断できないと、こんなデメリットが
まず、外壁塗装にまつわる見積書の重要性について知ってください。見積書を正しく読み、理解できれば、外壁塗装の失敗を回避できます。
見積書を正しく判断できなかったときの失敗には、どんなものがあるのでしょうか。
相場以上の塗装料金を取られる
外壁塗装の見積書を正しく読まなかったばかりに起こるトラブルの代表例は、「相場以上の費用を求められる」というものです。正しく明確な見積書であれば、「何にいくらかかる」「合計金額はいくら」と記されています。
見積書の内訳を「わからないから」としっかり読まなかったばかりに、記載されるべき事項に気づかず、最終的に相場以上の塗装費用を請求されることがあるのです。面倒かもしれませんが、見積書の隅までしっかりと目を通してください。
そして、複数の業者から見積もりを取れば、内容を比較できますので相場も理解できます。
工事の抜けを見抜けない
見積書を丁寧に読まなければ、手抜き工事に気づけないこともあります。
見積書には、「どの作業にどれくらいの金額がかかるか」についても書かれているでしょう。たとえば、塗装前に外壁を整える高圧洗浄やケレン(サビや劣化した塗膜を落とす作業)は欠かせないものですが、こういったものが記載されていないとき、手抜き工事をみすみす見逃すことにつながります。
また、外壁のヒビを埋めるシーリング(コーキング)についての記載がなければ、ヒビ割れをそのままに塗装されてしまうかもしれません。どんな事項が盛り込まれているのが正しい見積書なのかは、以下でご説明します。
どうぞこのまま読み進めてください。
見積書はとても重要、まず確認したい点6つ
正しい見積書かどうか、安心できる業者かどうかを見分けるには、次の6つのポイントを確認してください。
・項目がはっきりしているかどうか
・塗料の名称がはっきり書かれているかどうか
・単価×㎡(もしくはm/数量)表記されているか
・工程に関する記載があるかどうか
・塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」となっているか
・塗膜保証があるかどうか
なぜこの6点が大切なのか、外壁塗装で失敗しないように一つひとつ解説します。
項目がはっきりしているかどうか
見積書をもらったら、まず確認したいのが項目の明確さです。
足場・養生・高圧洗浄・塗料のように、項目として「何が必要か」が丁寧に分類されていれば、見積書を受け取った人にもわかりやすく誤解は生じません。項目がしっかり記載されていれば、必要物や工程の不足はないかというところにも気づきやすく安心です。
塗料の名称がはっきり書かれているかどうか
見積書の内訳に、塗料の名称(商品名)が明記されているか、きちんと見てください。
メーカーと塗料名が書かれていれば、ネットで平米単価をチェックできます。仮にネット検索したとき、塗料名が出てこない場合、安い塗料を高く見せかけている可能性があります。

塗料名が書かれている
また、「弊社オリジナル塗料」と書かれているときも危険です。塗料名が記載されていない場合、それがどんな塗料なのかをきちんと聞きましょう。
より丁寧な業者なら、使用したいと考えている候補の塗料の仕様書をくれるでしょう。仕様書とは、塗料の名称と材質・使い方(合成樹脂名・1液型か2液型かなど)、その塗料の特徴をまとめたものです。
単価×㎡(もしくはm/数量)表記されているか
費用を明確にするためには、単価と数量とを記載する必要があります。
塗料ならば「塗料名」「単価○○円×㎡」ですし、足場なら「くさび式(もしくは単管パイプ)」「単価○○円×数量」、コーキングは「単価○○円×m」です。何にいくらかかる、というだけでなく、必要な数量と単価、小計が記載されていればまずは安心です。

単価と数量が記載されている
一方、ざっくりと「坪単価」で記載されている見積書には注意してください。そもそも坪とは床面積のことで、外壁の面積ではありません。
きちんと家全体を見て計測したり、家の図面を見たりしなければ、外壁の面積は計算できないのです。
工程に関する記載があるかどうか
丁寧な見積書は、項目がある程度工程ごとに並んでいて、備考欄に詳細が書かれているでしょう。
・足場の設置(単価×数量)
・高圧洗浄(使用する洗浄機での単価×㎡)
・養生(単価×㎡)
・下地の処理(ケレン○種×○箇所など)
・コーキング(コーキング×m)
・下塗り・中塗り(単価×㎡)
・上塗り(単価×㎡)
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このように、必要なものを順序だてて記載していれば、工程も理解しやすく、見積書を受け取った人にとって親切なものです。また、それぞれの項目内で特別に作業の順序があるのなら、備考欄に記載してくれる業者もあるでしょう。
塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」となっているか
塗装の項目を見るときは、「下塗り・中塗り・上塗り」と3回塗りになっているかもチェックしてください。
基本的な外壁塗装は、3回塗りです。特別な塗料の場合以外、「下塗り・中塗り・上塗り」と記載していなければ、それは少々不安な見積書です。
塗膜保証があるかどうか
優良業者は、自社の仕事に自信を持っているので「塗膜保証」をつけることがあります。塗膜保証とは、工法の誤り・仕上げ不十分により生じる塗膜のトラブル(ヒビ/はがれ/膨れなど)に対し、無償で修正するというものです。
5年の塗膜保証がある場合、この5年間のうちに経年劣化や自然災害以外で塗膜にトラブルが生じたとき、その部分を無料で修復してもらえますので安心です。
一方、「躯体保証」といった過大なアピールをする業者には注意してください。外壁塗装は基本的に躯体とは大きく関係しません。よって、「躯体保証」は現実的ではありませんので、注意しましょう。
※躯体=建築物の構造体=壁・柱・土台など家を構成する基本的かつ重要なもののこと
こんな表記があったら要注意!? 良くない見積書の代表例
ここからは、悪い見積書の例を説明します。外壁塗装で後悔しないよう、悪い見積書についても理解しておきましょう。
「〇〇一式」表記
項目ごとに詳細な数字を記載しなければならないところに「○○一式」とあるなら、要注意です。これは、単価や数量を誤魔化し、安く見せる手法として使われるものです。
ただ、外壁塗装で出るごみ処理など、まとめてしまっても問題ないものは「一式」で記載されることもあります。
項目をすべてチェックし、「一式」が多すぎないか、その項目が本当に一式でいいのか、じっくりと考えながら見積書を確認しましょう。
下地調整の記載がない
外壁塗装には下地調整が必須ですが、それに関する記載がない見積書は信頼しづらいものです。
ケレン(下地を整える作業)や、クラックへのコーキング、モルタル充填といった処理法と範囲、単価が書かれていなければ、どのように下地調整をするのかがわからないうえ、後日「思ったより手間がかかりました」と追加料金を請求されるかもしれません。
付帯部や諸経費の記載がない
外壁塗装には、それに付随する諸経費が発生しますので、その記載があるかどうかも確認しましょう。破風・軒天・雨樋といった付帯部は、塗装対象としては細かな面積であっても、費用は発生します。

付帯部の見積もり記載の例
また、交通費や近隣に駐車スペースを借りなければならないときの駐車場代なども、必要経費として計上されているのが自然です。細かな項目を計上していない見積書は、それ自体手抜きともいえますので、要注意です。
値引き額が大きい
項目ごとの金額を合算した「総合計金額」から大きな値引きがあったら、少し気を付けなければなりません。数千円、数万円で微調整することはあっても、十万円単位での値引きは不自然です。
そもそも外壁塗装にかかる費用を多く計上し、大きな値引きでお得な感じを演出している可能性があるのです。あまりに値引き額が大きいなら、「なぜこんなに安くできるのですか」と聞いてください。
外壁塗装をするなら、相見積もりを取ろう
外壁塗装で失敗をしないためには、ぜひ相見積もりを取ってください。
・なんとなくでも相場がわかってくる
・見積書の内容を見比べることで、それぞれの業者がどんな施工を想定しているのかわかる
・見積書をもとに、かかる費用について詳しく質問できる
相見積もりを取ることは、このような点でメリットがあります。
いくつかの見積もりが手元にあれば、「この業者さんは〇〇と言っていましたが、御社がこう見積もった理由は何ですか」とたずねることもでき、より良い提案をしてくれているところがどこなのかを見分けることもできるでしょう。
要注意!見積書の取得から施工中に確認しなければならないこと
見積書の作成の依頼から、実際に施工してもらう間にも、注意点がいくつかあります。この点に気を付ければ、より失敗のない安心な外壁塗装が実現します。
1社からいくつかのパターンで見積書を作ってもらう
複数の業者から見積もりを取るのも大事なことですが、1社からいくつかのパターンでの見積書をもらうのも大事です。外壁塗装は、多額の費用がかかりますので、「完璧な塗装を目指すのか、どこか妥協できる点はないか」を考え、いくつかのパターンでコストを比較すると安心です。
妥協点を見つけるとしても、どこをあきらめるのか、それでどのようなメリットとデメリットがあるのか、見積書作成をした業者に説明してもらいましょう。
一度外壁塗装をすると、概ね10年程度で次の塗装のタイミングが訪れます。外壁塗装費用を節約しようとどこかで妥協すると、その間、我慢しなければならないこともありますので、契約前に比較検討してください。
見積書に記載されている概算金額を丁寧に確認する
見積書をもらったら、記載されている概算金額やその細かな内容をしっかりと確認しましょう。
外壁塗料に使用する塗料の単価は、メーカーのサイトで確認できることがあります。下塗り塗料、上塗り塗料、付帯部塗装に使う塗料など、それぞれの単価を確認し、それが正しく見積書に反映されているかチェックしてください。
単価がわかれば、見積書に記載されている塗装面積にかけ合わせて概算金額を理解できます。見積書に不当ともいえる高い単価を記載していないか、あなた自身である程度確認できますので、試してみてください。
施工中に塗料缶をチェック、塗装仕様書通りの作業をしているかも確認
見積書に記載されている塗料名を確認したら、施工時に持ち込まれる塗料缶と比較してください。
悪徳な業者の場合、見積書に記載した塗料とは別のものを使用することがありますので、「空き缶は置いて行ってください」と伝えましょう。これは違うと確信したら、証拠として塗料缶の写真を撮っておく、気が付いたその場で業者や作業員に「塗料が違う」と伝えるといった行動を起こしてください。
また、見積もり段階で塗装仕様書をもらっていたら、「塗る回数」もわかるでしょう。本来2度塗りの塗料の場合、1度しか塗っていないのなら明らかに手抜き工事です。
ただ、日中は仕事や用事でほとんど家にいない方の場合、施工を見守ることはできないでしょう。
この場合、当社のような間に入って優良な塗装業者を紹介するサービスの利用が安心です。愛媛県にお住まいの方は、業者探しのお手伝いからご一緒しますので、お気軽にお問い合わせください。
安心できる塗装業者の見分け方と「良い見積書」
では、見積書以外で安心できる業者をどう見分けるか、良い見積書とはどのようなものかを改めてもう一度見ていきましょう。
見積書以外で「ここは安心できる」と考えられる業者は次のようなところです。
・塗膜保証がある
・アフターフォロー体制を整えている
・社内に塗装技能士がいる
・営業担当者が丁寧に、親切に対応してくれ、疑問点が残らない
・他社の見積書に関する疑問にも、ある程度「読み方」を解説してくれ、正しい判断ができるようリードしてくれる
ここで、実際に「良い見積書の例」を挙げます。
ここまで解説してきたことが反映され、わかりやすい表記と感じられることでしょう。以下は「良い見積書の例」です。
このように、外壁塗装に詳しくない方でも「必要なものとその数量」「外壁塗装の進め方」が理解できるのが、良い見積書です。
あいまいな点を残したまま外壁塗装を依頼してしまうと、失敗する可能性が高まります。まずは見積書を出してもらい、その中身が丁寧に書かれているか、営業担当者に投げかけた質問に対してきちんとした説明があるかどうかを確認しましょう。
業者選びには、このことがとても大切です。
まとめ
この記事では、外壁塗装の見積書の重要性や読み方、良い見積書の例についてご説明しました。外壁塗装は毎年のように頻繁に行うことではありませんので、なかなか見積書に接することはありませんね。
ただ、単に「見積書」といっても、そこからわかることは多くありますので、読み方を知っておくことはとても大切です。今回のご説明のうち、特に大切なのは次の3点です。
・見積書の読み方を知らなければ、「法外な請求」「外壁工事のトラブル」を生むことがある
・見積書の確認点は、項目が明確か・塗料名の記載があるか・数量が明らかか・工程がわかりやすいか・3回塗りとなっているか・塗膜保証があるかの6つ
・複数の業者から見積もりを取り、比較しながら営業担当者から説明を受けると、どこに依頼するのが良いかわかってくる
外壁塗装の見積書からは、その業者の姿勢のようなものも見えてきます。
この記事を役立てながら、悔いのない外壁塗装をしてください。
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